UR団地に4年間住んで考えた理想の間取り|音・風通し・暑さまで考えた住みやすい部屋
私は以前、UR団地に実際に住んでいました。
その住戸は、部屋の広さや収納だけでなく、隣家との位置関係、風通し、水回りの配置など、実際に暮らしてみると非常によく考えられた間取りだったと感じています。
今回は、私が実際に住んでいたUR団地の間取りをもとに、特に「これは良かった」と感じたポイントを紹介します。
全く同じ間取りはないかもしれませんが、できるだけこれに近い間取りをおすすめします。
隣家との間に収納や設備があり生活音が伝わりにくかった
この住戸に実際に住んでいて良かったと感じたことの一つが、隣家との境界部分の間取りです。
隣の住戸との間には、押し入れ、洗濯機置き場、洋服棚、下駄箱などのスペースがありました。
これが結果的に、隣家との間のクッションのような役割を果たしていたのではないかと思います。
集合住宅では、隣の住戸と居室同士が壁一枚で接していると、テレビの音や話し声、物を動かしたときの音などが気になることがあります。
ところが私が住んでいた住戸では、普段長時間過ごす和室や洋室と隣家との間に、押し入れや収納、洗濯機置き場などが入っていました。
そのため、こちらの居室と隣家の生活空間が直接壁一枚で接する部分が少なく、実際に暮らしていて隣の生活音がそれほど気になることはありませんでした。
もちろん、収納があるだけで完全な防音になるわけではありません。
それでも、居室同士がそのまま隣接している間取りと比べれば、間に収納や設備のスペースが入ることで距離を取ることができます。
押し入れや下駄箱、洋服棚などは、人が長時間過ごす場所ではありません。
そうしたスペースを隣家側に配置し、実際に生活する部屋を少し離す構造は、集合住宅では非常に合理的だったと思います。
UR団地の部屋を見るときは、部屋の広さや収納量だけでなく、「隣の住戸との境界に何があるのか」まで確認してみると、住み心地を判断する材料になると思います。
集合住宅で最も多いトラブルが音の問題です。上下の音は防げないかもしれませんが、間取りにこだわることで隣家との音のトラブル少しでも軽減したいものです。
南側の窓と玄関を開けると自然に風が通った
この住戸でもう一つ印象に残っているのが、非常に風通しが良かったことです。
南側には窓とバルコニーがあり、反対側の北側に玄関がありました。
南側の窓を開け、玄関も少し開けると、住戸の中を南から北へ風が抜けていきました。
窓を開けても反対側に空気の出口がなければ、室内の空気はなかなか動きません。
しかし、この住戸では南側の窓と北側の玄関がほぼ反対側にあるため、外に風がある日は自然に室内へ風を取り込むことができました。
春や秋はもちろんですが、初夏などでも風のある日はかなり快適でした。
真夏でも、気温や湿度がそれほど高くなく、ある程度風が吹いている時間帯なら、エアコンを使わずに過ごせることもありました。
これは実際に住んだからこそ分かった、この間取りの大きな長所でした。
また、単に涼しいだけではありません。
室内に風が通ることで、料理をした後のにおいや湿気なども外へ逃がしやすくなります。
風呂や洗濯によって湿気が出たときにも、窓と玄関を使って空気を入れ替えることができました。
現在の住宅では24時間換気などの設備が一般的になっていますが、昔の団地では、建物そのものの配置や窓の位置によって自然換気しやすくなっている住戸もあります。
実際に住んでみると、こうした自然の風を利用できることは非常に大きなメリットだと感じました。
自然の風を利用することでエアコン代を節約することも可能でした。もちろん、防犯のために玄関ドアはチェーンロックをした上で開けていました。少し開けるだけでもしっかり風は抜けます。
トイレや風呂場が隣家に接しておらずプライバシー面でも良かった
水回りの位置も、この住戸で良かったと感じた部分です。
トイレや風呂場は、隣家との境界から離れた場所にありました。
実際に生活してみると、水回りは思っている以上にいろいろな音が出る場所です。
排便の音、トイレを流す音、シャワーの音、浴槽へお湯を入れる音、風呂のふたを動かす音など、毎日の生活の中でさまざまな音が発生します。
特に夜間や早朝は周囲が静かになるため、日中なら気にならないような音でも聞こえやすくなります。
私が住んでいた部屋では、トイレや風呂場が隣家の居室と直接接する位置になっていませんでした。
そのため、「トイレの音が隣に聞こえているのではないか」「夜に風呂へ入ったら迷惑ではないか」といったことを、それほど意識せずに生活できました。
特にトイレは、単純な騒音だけでなく、心理的なプライバシーも気になる場所です。
隣家の居室と壁一枚で接しているより、少し離れた場所にあるほうが気兼ねなく使うことができます。
また、こちらの水回りが隣家から離れているということは、逆に隣家側の生活音についても影響を受けにくいということになります。
集合住宅では、どうしても上下左右に別の住戸があります。
そのため、防音性能だけを見るのではなく、「寝室の隣には何があるのか」「トイレや風呂は隣家のどの部屋と接しているのか」といった間取り上の位置関係も、実際の住み心地にはかなり影響すると感じました。
特に女性にとっては生活音はあまり他人に聞かれたくありません。隣家とトイレや風呂場が背中合わせになってる物件はあまり好ましくありませんね。
西側ではなく東側の住戸だったため真夏の西日を受けにくかった
私が住んでいたのは、建物の西側ではなく東側の住戸でした。
これも、夏場には大きなメリットだったと感じています。
理由は、午後の強烈な西日を受けにくかったからです。
夏の午後は気温そのものが高くなっているうえに、西側から強い日差しが長時間当たります。
西側に大きな窓や外壁がある住戸では、西日によって部屋や壁が熱せられ、夕方になっても室温がなかなか下がらないことがあります。
特に鉄筋コンクリート造の団地では、日中に建物が受けた熱が残り、日が沈んだ後もしばらく暑さを感じることがあります。
その点、私が住んでいた東側の住戸では、朝日は入るものの、真夏の午後に強烈な西日が直接入り続けるという状況を避けることができました。
朝の日差しが入る時間帯は、午後と比べればまだ外気温が低いため、同じ直射日光でも暑さの感じ方が違います。
もちろん、室温は階数や周囲の建物、窓の大きさ、断熱性能などにも左右されます。
それでも実際に住んだ経験から、真夏の暑さを考えるのであれば、西日を受けるかどうかはかなり重要だと感じています。
UR団地で同じ棟の中から部屋を選べるのであれば、私は西側より東側の住戸を選びたいと思います。
「南向きかどうか」だけではなく、東西のどちら側に位置しているのかまで確認しておくと、夏場の住みやすさを判断しやすくなります。
西側の物件は東側の物件よりも家賃が安かったりします。しかし、電気代で高くつくこともありますので、こだわりたいところですね。
実際に住んだから分かった、この間取りの良さ
ここまで紹介してきた間取りは、私が頭の中で考えた架空の住宅ではありません。
私が以前、実際に暮らしていた賃貸住宅をもとにしたものです。
住んでいた当時は、押し入れや洗濯機置き場の位置、風呂やトイレの配置まで細かく意識して生活していたわけではありません。
しかし、後から振り返ってみると、なぜ暮らしやすかったのか、その理由が間取りの中にいくつもあったことに気づきました。
隣家との間には押し入れや収納、洗濯機置き場があり、居室同士が直接接しにくい構造になっていました。
南側の窓と北側の玄関を開ければ、部屋の中を自然に風が通りました。
トイレや風呂場は隣家から離れており、水回りの音について必要以上に気を使わずに済みました。
さらに東側の住戸だったことで、真夏の午後の強烈な西日の影響も受けにくい環境でした。
どれか一つだけなら小さな違いかもしれません。
しかし、こうした条件がいくつも重なることで、実際の住み心地はかなり変わります。
UR団地の部屋を探すときは、家賃、駅からの距離、築年数、部屋数といった条件だけを見てしまいがちです。
しかし、長く暮らすことを考えるのであれば、隣家との境界、風の通り道、水回りの位置、西日の入り方なども確認しておく価値があります。
私にとっては、以前実際に住んでいたこの住戸が、結果的に「理想に近い団地の間取り」だったのだと思います。